ミニ体験談
以下の体験談は私のものではありませんが良くありそうなパターン なので本人の了解を得て掲載します
その1

思い出すのも悔しくなりますが。私の場合出かける前に女性からメールが来 まして、添付された写真を見ると(この一瞬の緊張感はいいものです。半ば 心の中でどうせふた目と見られぬ人三化け七の売れ残りに決まっていると、 予防線を張ってしまいます)これが目のさめるような美人ではありませんか 。半信半疑よりやや確信に近い感触を感じて思ったのは、「俺って案外もて るのかも?」
 見合いに出かける前に父から「あんまり美人を選ぶなよ、ほどほどのとこ ろにしておかないといたい目の会うぞ!」と警告を受けたのですが、その頃 には絶対大丈夫という自信が芽生えていて聞く耳なんざぁ持ち合わせており ません。
 「いい日旅立ち」歌いながら新潟空港へ、離陸して5分もすれば眼下に広 がる佐渡島。今まで私をコケにしてくれた思い上がった日本女性よさらば! とばかりに現地に向かいました。

 通訳さんに会員女性のファイル見せられて2−3人選んでおくように言わ れたのですが、「私の気持ちはひとつです!」と目もくれませんでした。
 背広なんてめったに着ないものですから、ネクタイ結ぶのに戸惑って、ホ テルのロビーでカウンターのおばさんにネクタイ結ぶの手伝ってもらってい るとお見合い相手と通訳さんが私の横を通りすぎていくではありませんか。 「写真よりはるかに美人だ!」

 いざお見合い開始となると何を話していいのかさっぱりわかりません。私 の第一声は、「何かご質問はございますか?」でした。日本女性と違って屈 託なくいろいろ質問を浴びせてきます。歯切れのいい人だなあと感心してし まいました。即決でお付き合いOKをいただき大喜びでした。
 ただでさえ舞い上がっているところに、労せずしてこういう結果になると ろくなことを考えません。この国では自分が美男子だったんだ、なんて思い あがっているのはいいほうで、もしかしたらもっと美人とでも縁があるかも ?完全に倒錯してしまいます。もてたことのない男の積もり積もったフラス トレーションが一気に開花です。

 その女性はどちらかというと都市に住みたいという希望があった人ですが 、こちらも舞い上がっていますから、「あんな牛と年寄りしかいない村、い つだって出て行ってやる。花のお江戸でアーバン・ライフを満喫だ!」今に して思えば「七夕物語」の牽牛と織姫はこんな感じだったのかな?なんて思 います。

 この人は自分には合わないと心のどこかに引っかかっていたのですが、こ のチャンスを逸したら老後の養老院で茶のみ友達と出会うのを待つしかない という危機感もあり、余計なことは考えないようにしていました。
 「私の選んだ人を見てください」とばかりに街を闊歩していたのですが、 幼少期米軍兵にくっついている日本のお姉ちゃんを大人達がさげすんだ目と 言葉で言い表していたことなどを思い出すにつけ、自重せねばと押さえるよ うになると、今まで見えなかったものが見えてきました。この女性と自分と の生活がまったく想像できませんでした。どう考えても生活が見えてきませ ん。結婚相手を探すために来たというのに。
 通りを歩いていてガラス窓に映る自分と、その女性を見たとき感じたのは 、誰がどう見てもカップルには見えない二人でした。せいぜい通訳と外人客 に見えればよいほうでしょう。人前を連れて歩くには見栄えのする人で、こ ちらは鼻高々でしたが、ただそれだけです。生活に対する考え方も違います し、実際結婚していたら気になって仕事なんか手につかなかったでしょう。

 お互い心に通い合うものがないとあとは坂道を転がるようです。美人は三 日で飽きるといいますが本当でした。
 通訳さんと相談してみると、やはり同じ答えが返って来ました。「お互い 義理で付き合っているみたいだ」ここで困ったことは、どうやって断るかと いうことです。ふられることには事欠かないのですが、こちらから断るとい うのはどうにも気が引けまして。今にして思えばはっきり明確な理由を言っ て断ればよかったのですが、どうしてよいやらわからなくて、通訳さんがひ と肌脱いでくれてその出会いは終わりました。後に残ったのは三日間損した という悔しさです。
 最終的に選んだ人?一番地味で向上心あふれる女性でした。
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